一人の障がいのあるお子さんとの出会いが私に看護の楽しさ、難しさ、力を教えてくれました。その子の抱いた目標に向かい一緒に悩み、考え、工夫し、その子の頑張りと成長を身近で見て、ともに歩んできた経験が私の原点です。

　F.ナイチンゲールは、「健康とはよい状態をさすだけでなく、われわれがもてる力を十分に活用できている状態をさす」と述べています。

　例えば、オーケストラは、全体を支える低音パート、リズムを刻むパート、旋律を奏でるパート、旋律を引き立たせる影の主役ウラ旋律パート、全体に厚みをもたらすハーモニーパート、全体をまとめる指揮者など、色々な楽器が奏でる色々なパートが合わさり、心に響く素敵な音楽を奏でます。

　オーケストラのように、すべてのお子さんにもてる力があり、その子らしさがあると思います。それを発見し、支えながら、お子さんたちが成長していく姿を身近でみることを想像するとワクワクします。

　障がいがあると、周りの人に思いを伝えたり、周囲の物（玩具や自然など）に触れあったり、気候や環境の変化に適応したりと、周囲の環境・社会とうまく関係性を築くために橋渡しが必要な場合が多くなると思います。職員は、障がい児看護について実践・研究をしてきた看護師、静的弛緩誘導法を長年実施してきた元特別支援学校の教員、障がい児教育を提唱した元特別支援学校の教員など、障がいのあるお子さんへの熱い思いと実績のあるメンバーがそろっています。「ふわっと」では、静的弛緩誘導法をベースにしながら、お子さん自身のからだとこころがふわっとほぐれ、もてる力が発揮・拡大していくと同時に、お子さんたちが今の社会、これからの社会で生き生きと楽しく生活していくための橋渡しができるように、職員が協働していきたいと思っています。

　ご家族の方々は、育児書にない育児をし、相談相手が少なく、休む間がない中で、精神的にも身体的にも大変ご苦労しながら過ごされてきた方も多いと思います。お子さんと少し離れる時間ができることで心に余裕が生まれたり、兄弟と関わる時間がとれたり、家族がお互いを思いやりながら過ごせる良循環につながることもあると思います。また、職員やお母さんたち同士の交流のなかで気持ちを伝えあうことで、心が軽くなったり子育てのヒントが得られたりすることもあると思います。
お子さんたちがふわっとを第２のお家と思い、安心して過ごせる場所になるように努めます。職員も子育てメンバーに加えていただき、お子さんの生活・成長を、ご家族と一緒に見守り、支えていけるようになりたいと思っています。

　オーケストラのように、いろんなお子さん、ご家族、職員、みんなの個性が合わさり、優しく奏でられるメロディーは、素敵な人生・生活を生み出すと信じています♪